TENDRE POISON ~優しい毒~


すらすらと公式を述べるあたしに、神代はちょっと面食らったように唇を結んだ。


薄い唇……




でも軽薄そうに見えないのが不思議。




「授業はちゃんと前を向いて聞くこと」


神代はちょっと微笑むと、くるりと背を向けた。





男の人にしては華奢な背中。



淡い色の髪の毛。


同じ色をした瞳。





その全部を手に入れてやる。




そしてあいつが乃亜にしたように、





あたしも手ひどく裏切ってやるんだ。









あたしの中で復讐という名の闘志が湧き上がった。



< 5 / 494 >

この作品のキーワード

この作品をシェア

pagetop