TENDRE POISON ~優しい毒~


エミネム、アッシャー、ジャスティン・ビーバー……


どれも洋楽だ。それも男のアーティストばっかり。


ボンジョヴィなんてのもある。


顔に似合わず激しいヤツ。


だけど、


色気ないなこいつ、なんて突っ込みどころは満載だったけど、その中に“浜崎あゆみ”のジャケットが混じっているのを見つけてあたしは目をまばたいた。




「あゆ、好きなの?」


「え?うん。結構昔から」


神代は顔を僅かに赤くして頷いた。





「あたしも。あたしもあゆ好き……」


悔しいけど、ホントのことだ。


何で好きなアーティストが合っちゃうんだろ。




「本当?鬼頭は何の曲が一番好き?」


「あたしは……Is this LOVEが好きかな。歌詞はしっとりしてるのに、曲調は激しいの」


「あ、それは僕も好き!」


神代の顔が輝いた。


「片恋の唄なんだよね」あたしが言うと、


「うんうん」と頷く。


あたし……なんでこんな話してるんだろ。


なにかネタになるものを探してるはずなんだけど。





「じゃあさ、今度カラオケでも行くか?」






え―――?




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