TENDRE POISON ~優しい毒~
―――
鬼頭を駅で降ろすと、僕はすぐに自分のマンションに帰った。
何だか今日一日色んなことがあって―――疲れた。
部屋の前に着くと、僕は大きなため息を吐いた。
「でっかいため息」
耳元で声がして、僕は飛びあがりそうになった。
「まこ!どうしてここに!?」
まこは高い身長をちょっと屈めて僕のすぐ後ろに立っていた。
部屋のドアに手をついて、片方の手は腰にあててる。
その格好がすごくさまになっていて、ぼくは思わず見とれた。
「鍵、学校に忘れちゃってさぁ。今日泊めてくんない?」