TENDRE POISON ~優しい毒~
陰謀、企み、そして恋心

◆午後10時の友情◆



◇◇◇◇◇◇◇◇



神代とキスをした。


何があっても動揺しまいと思ってたあたしだけど、さすがに昨日の今日ではどんな顔すればいいのかわかんない。





―――昼休み


「鬼頭!」


お弁当を持って食堂へ行こうとしていたあたしを、梶が呼び止めた。


両手いっぱいのパンを抱えてる。


「鬼頭、今から昼飯?」


「うん」


梶はあたしが手にしてるお弁当箱の包みを見て、大げさに顔をしかめた。


「鬼頭の弁当ちっちぇ!そんなんで足りるの?」


「梶が多すぎるんじゃない」


あたしは苦笑した。


「それより何?用がないんなら引き止めないでよね」



「ああ、わり。今日さ、帰り暇?カラオケでも行かね?」


「あぁごめん、今日は神代の手伝いがあるんだ」




梶はちょっと考えるようにして、頭を俯かせたのち、


「あのさっ。何で鬼頭が神代の手伝いなんてしてるんだよ!」



とあたしを睨みながら口を開いた。












< 68 / 494 >

この作品のキーワード

この作品をシェア

pagetop