TENDRE POISON ~優しい毒~
陰謀、企み、そして恋心
◆午後10時の友情◆
◇◇◇◇◇◇◇◇
神代とキスをした。
何があっても動揺しまいと思ってたあたしだけど、さすがに昨日の今日ではどんな顔すればいいのかわかんない。
―――昼休み
「鬼頭!」
お弁当を持って食堂へ行こうとしていたあたしを、梶が呼び止めた。
両手いっぱいのパンを抱えてる。
「鬼頭、今から昼飯?」
「うん」
梶はあたしが手にしてるお弁当箱の包みを見て、大げさに顔をしかめた。
「鬼頭の弁当ちっちぇ!そんなんで足りるの?」
「梶が多すぎるんじゃない」
あたしは苦笑した。
「それより何?用がないんなら引き止めないでよね」
「ああ、わり。今日さ、帰り暇?カラオケでも行かね?」
「あぁごめん、今日は神代の手伝いがあるんだ」
梶はちょっと考えるようにして、頭を俯かせたのち、
「あのさっ。何で鬼頭が神代の手伝いなんてしてるんだよ!」
とあたしを睨みながら口を開いた。