TENDRE POISON ~優しい毒~
「何だよ、ロリコンか?生徒にだけは手出すなよ」
「ご忠告どうも。でも気になるってそういう意味じゃなくて……」
僕は先日行われた中間考査の答案用紙をぺらりとまこの前に出した。
「白紙……だな」
「白紙……だよね。やっぱり」
名前の欄は記入がしてあって“鬼頭 雅”となっている。
まこは名前を読み上げた。
だが、すぐに机に視線を戻すと、やりかけの書類にかかった。
「そんなの追試でいいんじぇねえか?何か問題でも?」
「追試、するほど成績が悪くないんだ……」
「じゃああれだ!お前に対する嫌がらせ!」
まこはぽんと手を打った。
嫌がらせ……
される覚えはないんだけど。
「お前何か恨み買ったんじゃないか?」
恨み……?