TENDRE POISON ~優しい毒~
それともいきなり声をかけたからびっくりしたのかな?
「あ、ごめん。急にびっくりした?」
鬼頭は首を振った。
僕はちょっと苦笑いをすると、
「昨日、何で来なかった?」
と聞いた。
「ちょっと、気分が悪くなって」
鬼頭はそっけなく答えると、僕から視線を外した。
なんで?
なんで目を逸らす!?
僕は鬼頭の肩を掴んで、こちらを振り向かせた。
「だったら、一言言ってくれたっていいじゃないか?
僕はずっと待ってたんだよ」
鬼頭は大きな目をぱちぱちさせた。
やば!これじゃまるで恋人同士の痴話げんかじゃないか。
僕は慌てて鬼頭の細い肩から手を放した。