選択肢
目が馴れてきて声の主を見てみたら、不思議な雰囲気の男が1人いた。
男の風貌を例えるなら“不思議の国のアリス”の帽子屋だった。若く、怖いくらいにキレイな顔をしている。
「お目覚めですね、里川美麗20」
「だっだから誰なの!!?誘拐犯!!?なんで私の名前……!!」
聞きたいことはたくさんある。いったいここはどこなのか。
なぜ……過去に捨てた私の実名を知っているのか。
「落ち着いて下さい。里川美麗20」
「だから、なんで…!?」
「なら、答えましょう。私は、誘拐犯ではありません。名を知っているのは私がこの空間の管理者だからですよ、里川美麗20」
「空間…?管理者…?」