花の名
*
そして迎えた文化祭二日目...
この日から
乃愛の運命は大きく
動き出した。
まさかあんなことが
起こるなんて
この時は誰も思ってもみなかった...
午前中のステージ発表が終わり、お昼休み。
私たち3年2組のみんなは、模擬店の準備を急いだ。
全員おそろいのTシャツを着て、みんな声を張り上げる。
あまりの売れ行きに
作り手が追いつかないほど人気だった。
開始三十分でほぼ完売!
片付けが終わると
午後の部の有志発表が始まった。
出場者はバンド二組と
ダンス一組、サッカー部三年生の計四組だった。
会長の司会で一組目の幕が開いた。
「あ、あの時の一年生のバンドや!ボーカルの子めっちゃ上手いな!」
私がそう言うと
隣に座っていた那奈が言った。
「乃愛、有志発表のオーディションの日休んだから聴くの初めてやんな。」
「うん。オーディションの日行けばよかった~」
一年生のバンドは二曲で終わり、次のバンドが始まった。
「次は芽衣たちのバンドだね!」