優しいうそを重ねて


「…」


なぜか黙るそいつ。




一瞬見せた沈んだ顔。




でもそいつはすぐまた笑顔になった。




だから私は何もなかった…ふりをした。





「俺?」



朝日が眩しい。

今は、まだ朝早い。



そいつが居ないと朝日が隠れない。


「…うんそう。」




「…将稀」



「まさきか。」






……………まさき












その名前は。





私の胸にすとんと

転がりこんだ。








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