花のかんむり
重い瞼を開けると、
隣にはいつも通り遊が眠っている。
美しい男は寝顔まで美しい。
甦る残像、 ここが現実だと言い聞かせる。
遊がそこにいても、一人で先に目覚めてしまう朝は苦手だった。
どうしていいか、分からなくなる。
私は、再び瞼を閉じた。
もう少し眠りたい、もう少しだけ。
でも、そんなのは、ただの言い訳なんだ。
あの夢の続きを、
もう一度見たいと願っていた。
しかし、私は知っている。
夢の続きは、もう見れない。