花のかんむり
自分で言うのは、可笑しい。
でも、私はそれなりにモテていた。
男の子から告白されたことだって、数えきれない。
だから、自信やプライドがあったのは事実。
伊織に告白したのは、実は二度目。
一度目は、中学一年の夏。
申し訳なさそうに頭を掻きながら伊織は言った。
「ごめん。友達にしか見えねぇ。」
使い古されたセリフで、
使い古された態度で、
伊織は言った。
私の自信とプライドは、呆気なくバラバラになって散らばった。
だから、私は知っていた。
二度目の告白、
数秒後には私の自信も、プライドも、
またバラバラになって散るだけだ。