男子留置所
「すいません。選考基準に「男子」と書いてあるのでたった今黒崎さんの推薦を取り消させていただ…」
「すいません。」
1人の先輩の質問によって、あたしの推薦が無効になろうとしていたときだった。
生徒会長の後ろで1人の大人の男が起立する。
「ぁ、はい。」
「私『桜稀(オウキ)高等学校』通称『男子留置所』から参りました、大江幸(オオエミユキ)と申します。校長代理でやってきたのですが、桜稀高校は学校にとても害のある女子ならば特別入学も可能でありますので、皆様の意見がそちらに集中するようでしたら入学狩野です。」
スラスラと言葉を発して行く大江さん。
話し終わるとスグに席につきコチラを見る。
「だそうです。」
「わかりました。」
え…?
終わっちゃう?それで終わっちゃう!?
せっかく無効になるトコだったこの事件をあっさり解決されてしまった。
「他に質問などありますでしょうか。」
こっちの気も知らずにどんどん司会進行をする生徒会長。
先ほど挙がっていた手は全て下ろされ。
何も無い状況になった。
「それでは、多数決で決めたいと思います。1人1回挙手をお願いします。」
どきどきしながらステージ下を見つめるあたし。
もしこれで留置所行きがきまってしまったら…。
転校。
「Aクラス…2人」
「Bクラス…1人」
「Cクラス…14人」
「Dクラス……」
1クラス1人の選抜メンバー。
多く手のあがる中。
圧倒的多数で
あたしの桜稀高校。
男子留置所行きがきまった。