獅子が招いてくれた恋
まこちゃんはあたしが小1だった時に5年生だった人。
覚えてなくても無理はない。
それに思い出したらあっちから話しかけてくれるだろ。
悪い仲じゃなかったし。
次の休憩場所に着いて、獅子舞いを終えて、かえでたちと御輿について話し合った。
「なんか今年やりづらーい」
「狭いからぢゃね?ほら」
ギャルっぽい中学生が御輿に括り付けてある座布団を指差した。
『うっわ、なにこれ詰め詰めじゃんよ!』
「やっぱ1箇所2人っしょ」
「3人とかキツくね?チョーがに股!!」
毎年8人で担いでた御輿を今年は12人で担いでいたらしい。
なんだかかわいそう。
「満員で担いでたから交代する子が居なかったんだ!」
「はぁ!?ぢゃあ今年は担ぎっぱ?」
ぎゃあぎゃあ文句を言って笑ってる中学生を見てたらキリがない気がした。
『よしっ、それじゃあ4箇所から1枚ずつ座布団取って、やぐらと一緒に軽トラに乗せてもらいな!』
こうするしかないよね。
多少重くなるかもしんないけど、担ぎづらいよりはいいでしょ。