獅子が招いてくれた恋
パチパチパチ…
「お〜、うまいうまい。こりゃあ将来楽しみだあ!」
「来年から稽古へ来るか?」
男の子は「へへっ」と照れ臭そうに笑っている。
「こっちの若いねえちゃんもな!2年目でこんなに吹けるようになってなあ」
「そうだな!嫁へ行っても祭りだけには戻ってこおよ」
「死んだじいさんにも手を合わせに行かにゃな!」
小1から、9年間出続けた地元・藤宮の祭り。
何となく助っ人として参加した10年目の高1。
ずっと憧れてたお神楽に入った高2。
…2年目のお神楽。
じいちゃんの目に、今のあたしはどんな風に写ってるのかな?
〈はるかside、二度目の夏〉