獅子が招いてくれた恋
まことside、楽しいじゃん
ぎゃあぎゃあはしゃぐ中学生。
ひたすら飛び回る小学生。
男も女も俺の知ってる奴は居ない。
だけど気になるのはこの女。
中学生じゃなさそうだし、素足に草履だし。
お神楽で笛吹いてるのを見た時は『そーゆー時代か〜』なんて思った。
今まで野郎しか居なかったところに飛び込むなんて、なかなかの度胸。
やんちゃで生意気な中学生を、男女共にリードしてる…。
それに俺のことを知ってるらしい。
こいつは上手く使うしかない。
「あれ、まこちゃんじゃないですか!」
俺に声をかけたのは2こ下の後輩、さとし。
小学校の頃は丸くて、ぽちゃぽちゃで、とにかく可愛かった。
今では俺と変わらない体型だけど、いつだか「一緒にしないでよ」と割れた腹筋を触らされた時は軽く力が抜けた。
最後にあったのは…
先週だったかな?
「なんで今週は店に来てくれなかったんですか!」
『はっ、行ったし!お前が居なかっただけだわっ』
俺はさとしがバイトしているコンビニをよく利用する。
藤宮は小さい地域で人も少ないのに、中学、高校となると小学校の頃の仲間との交流が段々少なくなる。
もしかしたらあの女も小学校の頃は仲良しだったのかもしれない。