獅子が招いてくれた恋
はるかがくると引き締まり、盛り上がる担ぎ手たち。
俺とさとしはぽつん、ぽつん、と居てはいけないような感じで…、
なんとなく肩身が狭い。
急に現れて、急に居なくなる。
これじゃあ使いたい時に全く使えない。
女御輿に男御輿、それにお神楽。
いろんなところをふらふらと行き来するのは正直よろしくない。
だけど、担ぎ手の時も、盛り上げ役の時も、お神楽衆の時も。
どれもかっこよくこなしてるから、少しだけ見取れてしまう。
「俺とはるかを使う気でいたみたいだけど、俺とまこちゃんが使われてるみたいですね」
さとしが苦笑いしているのを見たら、なんとなく自分が小さく感じた。
年上だからって仕切ろうとしてばっかじゃダメなのか…