獅子が招いてくれた恋
「はるか、楽しいばっかは理由にならないぞ」
男御輿の補助に廻るあたしとまこちゃん。
さとちゃんは女御輿だ。
『どうせストレス発散とか言うんでしょ?』
「そう。社会人にはな、こういう時しかハメ外せない人だって居るんだぞ」
まこちゃんの語りは長くなりそうな予感がした。
『だろうね。高校生のあたしですら祭りやってると気持ち良いもん…』
「だけどな、大人はそんなもんじゃなくてな…」
ほら、語る、語る…。
そんな話し、子供には関係ない。
楽しけりゃ良いし、頑張れれば良い。
気持ち良く担げりゃ、もっと良い。
「社会ってのはな…」と、あたしを子供扱いする様な口調がどうも気に入らない。
社会に出て少ししか経ってない22の若造が、
これから社会に出る18のガキんちょに、
社会を知り尽くした様な態度で、
語り掛けてくるのが、
はんぱなく、うざかった。
〈はるかside、調子のんな〉