獅子が招いてくれた恋
まことside、この小娘が
『お前、高3だよな。進路どーすんの?』
「来月面接」
素っ気なく返してくるはるか。
俺はこいつの将来がすごく気になる。
子供御輿とはいえ、ここまでリードできるんだ。
俺たちまで巻き込んで…。
「お前すごくね?なんでそんな元気にわっしょいいってられんの?」
ほら、さとしだってはるかの生態系を多少は気にしてる。
「んー…、応援団の発声練習が“わっしょい”だったからかな?」
「『応援団!?』」
若干焦る俺とさとしを見てはるかはただ笑うだけ。
『お前いい経験してんな!将来きっと…』
「うるさいよ!!」
――――――――ッ!
「まこちゃんはね、さっきからうるさいの!」
「あたしはね22の若造の説教なんて聞きたくないの!」
「今日は楽しければいいの!反省会は後なの」
静かに発せられた言葉にはなんとなく威圧感があって…。
はるかが少し怖く感じた。
『ご、ごめんはるか…』
「入学した頃から就活みたいなことしてる学校だからさ、説教じみたことばっか言うまこちゃんがうざったいの!」
一気にそう言い切ると、右手に持っていた缶ビールを飲み干した。