獅子が招いてくれた恋
はるかside、じいちゃん
『ただいまーっ!』
「おーう、お疲れぃ。それとただいまじゃなくて、こぉんばぁんはっ!お前の家はここじゃなぁ〜い!!」
玄関を開けた途端に酔っ払ったおっちゃん(お母さんのお兄さん)が絡んで来た。
『まこちゃん、ほらほら入って』
「おっ、はるかが男連れてきた!」
今度はいとこたちが絡んでくる。
『あたしの男じゃないよ。じいちゃんにお線香あげてくれるって言うからね…』
「なにぃ?えぇ?どー見ても男でしょおー!」
あぁ、もう話にならない。
『ばあちゃーん。雑巾貸してー』
「はいはい、足はちゃんと拭いてちょうだいなっ」
と、ばあちゃんはすぐに雑巾を持ってきてくれた。
あたしはその雑巾をまこちゃんに渡した。
『あのね、ばあちゃん…』
まこちゃんが地下足袋を脱いで足を拭いてる間、ばあちゃんに説明をした。
「あぁ、あぁ。あぁー!!まあ〜、久しぶり!大きくなっちゃって〜」
「覚えてて下さいましたか!お久しぶりです」
ささっ、上がって上がって〜
なんて言って、あたしの出番はもうない見たい。
ばあちゃんがまこちゃんから受け取って、あたしに投げてきた雑巾であたしも足を拭いた。