獅子が招いてくれた恋
「なになになに?」
あたしはがっくりと道路にしゃがみ込んだ。
『家、開いてないって…』
「まじ!?うち来る?」
『行かない。ここでお父さん待ってる』
すぐそこのミニ公園のブランコに飛び付いた。
お父さんはまだ神社にいるはず。
帰りは絶対にここを通る。
「しょうがないな、お嬢ちゃん。お家帰れるまでおじさんが付き合ってあげるよ」
まこちゃんが隣のブランコに座った。
『気持ち悪いなー』
全力で引いてやった。
まこちゃんとさとちゃんは使えたな…
「ん?」
心の声が聞こえたかと思った。
『な…なんでもない!それより、来年もよろしく頼むよ!!』
あたしの言葉を聞くなりまこちゃんの顔色が変わった。
「いやぁ〜無理無理。俺は今年頑張ったから後はお前らがしっかりやれ!」
このふざけた発言に軽くカチンときた。
『さっきは来年はあーするこーするとか言ってたじゃん!ふざけんな!』
歩きながらやった反省会を思い出しながらまこちゃんを攻めた。
『連絡先を教えなさい!来年の夏、ちゃんと誘ってあげるから!!』
あたしは半強制的に赤外線通信をした。