獅子が招いてくれた恋
 
「ハルーっ!何その頭!?」

「伸ばすって言ってたじゃんよ!!」



カヨとアサミ
夏休み一緒に教習所に通った仲間。

クラスで数少ない女子生徒。

予想してた通りの反応だ。



「なんでこんなに短く…」


ユウヤの手からあたしの免許証を取り上げて、目の前のあたしと、手の中の写真のあたしを見比べる。




『気合いだよ、気合い』

だって、ほら。
2学期は忙しいんだよ?

面接が終わったら学祭、部活の引退試合、ロードレースもある。


髪の毛なんて邪魔。




「ハル…。あんた、乙女失格」

アサミがぽんっ、と叩いた肩に地味で、なのに泣きたくなる様な痛みが走った。

きっと眉間にシワでも寄ったな。




「…今年もあれ担いだんだ」

苦笑いするユウヤ。
きっと今の表情を読まれたんだろう。

付き合ってた夏、ユウヤを呼んで担がせた。




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