獅子が招いてくれた恋
俺っちがおかしいのか?
ハルカが住む、この藤宮がおかしいのか?
標準なんてないのか?
「え、これ?ニヒャクだよ」
―――コノミコシハ、ニヒャッキロダヨ。
「あっちは300だか400だか…。忘れちゃった」
ハルカは大人御輿を指差した。
なんだ、この地域は?
中学生の女の子が8人で200キロを担いでいるのに、大人20人前後で300キロだか400キロを担いでいる。
それをはるかに話すと
「仕方ないよ、バカだもん」
と、呑気に笑う。
いつもは可愛いと思える、俺の彼女の笑った顔。
この時ばかりは、「これが異文化か」と、手に汗を握ることしかできなかった。