獅子が招いてくれた恋
9月の第2土曜日。
ユウヤを再び藤宮に連れ込んだのは、間違いじゃない。
きっとそう。
カヨとアサミも一緒だもん。
「まだちょっとは好きなんでしょ?」
あたしの手の平と睨めっこするカヨ。
カヨは手相がみれる。
『そりゃあ…、多少は』
多少じゃなくてかなりだけどっ。
でも、やっぱその気になりきれない。
今のあたしは“無”でいるのが適してるのかも。
「3年の初めにも言ったでしょ?ハルには、ハルにとって良い男がちらついてる。年上のね。しかも丘工出身の」
たまには信じてよ!ってお尻を叩かれた。
そして、
「ユウヤの可能性も怖いくらいある!」
なーんて言って、ウィンクを飛ばされた。
あんまりのめり込みたくないけど、カヨの手相は当たるんだ。
ユウヤは芽衣たちと仲良く遊んでいる。
―――遊ばれてる?
「楽しめLastJK!進路に恋に学校行事ーーっ!!」
ってカヨ。
アサミは「イエーイッ」ってノリノリ。
進路って…
楽しくないし。
〈はるかside、JK3〉