獅子が招いてくれた恋
 
♪〜〜♪♪〜

獅子舞いを操る笛と太鼓の音が聞こえてきた。


せっかくだし見ようかと思ったけど、今はしっかり休んでおいて次の休憩場所で見物することにした。




ぼけっとしてしゃがんでいるとおばさんたちが唐揚げやらおむすびやらを次々と渡してくる。

「まこちゃん担いでるの?頑張ってね」

「まこちゃん、どんどん食べてね」

声をかけられて食べ物を渡される度に『すいません、ありがとうございます』と笑顔を作った。


我が家のあるこの組から離れる前に家に帰りてー。




落ち込み切っている俺の視界に見たことのない女の子がチラついた。

緑のタンクトップにプーマのハーフパンツ。
軽く腰パンにしているのが残念だ。

髪の毛はショートカットで前髪を上げてピンで留めている。
なんとなく俺好み。


こんな子、ここの組に居たんだ。
だれかの親戚か、それとも嫁か…。




ピピーッ

「はーい、行くよーっ!!」

大人御輿のボスが出発の笛を鳴らした。




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