獅子が招いてくれた恋
「ハルカ先輩っ、マッサージ教えて下さい!」
なーんて可愛い1年生2人に言われたのもあって、ユウヤをダミー人形にしての講習会を開いた。
『男の人はねー、やりずらいんだよー…。筋肉の付き方とかさ…』
ぶつぶつ言いながら(教えながら)、アサミにしたのと同じようにユウヤの身体を解した。
ほんと、やりずらい…。
女の子より筋肉のある足は、刺激を加え過ぎたら筋を痛めるんじゃないか?って。
お尻や肩なんかは「痛い!」ってまたにうるさいし。
「筋肉は少なくても、凝りは女の人のが多いからね…」
まったく。アサミの言う通り。
ここ最近肩が凝っているみたいで、みんなで肩揉み大会をする。
凝ってる自覚がなくても気持ちと思うのは、凝ってる証拠なのかな?
こうして、知らず知らずのうちに肩凝りとか、冷えとか、女の人は色んな厄介と付き合っていくんだろう。
それにしても、あたしって何なんだろう。
いくらクラスメートでも、元彼の身体を揉み解す女子高生は居ないだろう。
物凄く複雑だ。
ユウヤはどんな心境でいるんだろ…。
「鳴らして」
ユウヤの小さな声。
「腰、鳴らして」
『あぁ、はいよ』
仰向けになったユウヤの片足を曲げて、反対側へ倒す。
肩と骨盤の辺りに手を添えて、優しくグイッと押した。
バキッ―――
ユウヤの腰の辺りから痛いような、気持ち良いような音がする。
素人がこんなことをしていいのか、時々不安になる。
でもあたしはこれの気持ち良さを知っている。