獅子が招いてくれた恋
「ねえ、太田くん?」
『え、はい!?』
「聞いてた?俺の話。今度3人で走ろうって」
やばい、聞いてたけど理解してなかった。
学生のがきんちょと走るんだっけ?
いや、待てよ。
学生って言っても、大学4年生だったら22才で俺とタメだ。
もしかしたら留年やら浪人やらで俺より年上かもしれない。
いやいや、待てよ。
俺より年下だったとして、俺より走る力があったら?
『若いな〜』ってなって、俺の心が折れるかもしれない。
「…くん?太田くん?」
『あ、はい!?』
「また上の空?太田くんって、会社じゃ俺のこと『大好き』とか『尊敬してる』とか言ってる割りには、対応が冷たいね(笑)」
河野さんは苦笑いしてる。
『ははっ。それで河野さん、その学生はいつ来るんですか?』
「月、水だったかな?火、金が放課後に資料作りとかで、木曜はナ〇ト見るんだってよ」
へえ〜、〇ルトを見るのか。
確かに俺もナル〇は見たいな。
「じゃ、とりあえず次は来週の月曜日ね!」
とりあえずって…。
俺は土日明けの仕事終わりになんて走りたくないですよ、河野さーん!(涙)