僕の死に方
 僕の命は、誰かの手によって奪われる。
 決して自ら命を絶つわけじゃなく、あくまで、僕以外の誰かの手によって、だ。

 例えば悪化した苛めによって、藤見正信の命が危険に晒されるとしよう。
 それを僕が庇い、身代わりとなって死亡する。
 それも、悪くない。苛められている友人を庇って、非業の死を遂げる――。
 名誉も残るし、美談としても悪くない死に方だ。
 だけど、それは理想的じゃない。
 苛めを行っている人間なんて、僕にとってはどうでもいい人間だ。
 そんな人間に僕の死を背負ってもらったところで、何の感慨も沸かない。

 僕の死を背負うのは、僕の友人だ。
 少なくとも、傍目には仲が良く映り、行動を共にすることの多い人間。

 そう、僕を殺すのは――

 藤見正信だ。
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