僕の死に方
「慎也、お前最近、何かいいことでもあったのか?」
リビングでテレビを見ている時、兄がそんなことを尋ねてきた。
「なんで?」
「いや、最近妙に生き生きしてるっていうか……前はそんなこと無かったろ。割とぼーっとしてるっていうか、何考えてんのかわからない感じだったのに」
「……そうかな?」
言われてみれば、そんな気もする。
僕が死ぬための計画、理想の死に方を探すようになってからは、世界の色はがらりと変わった。
それまでは、退屈な毎日だったのだと思う。
それこそ、ネクタイに首を締め続けられるような、窮屈な未来を容易に想像できてしまうほどに。
死ぬために行動をしている今でこそ、生きている実感を得るなんて――
もしかしたら僕は、こうして死ぬ時のために生まれたのかもしれないな。
家族が聞いたら、怒るだろうけど。
リビングでテレビを見ている時、兄がそんなことを尋ねてきた。
「なんで?」
「いや、最近妙に生き生きしてるっていうか……前はそんなこと無かったろ。割とぼーっとしてるっていうか、何考えてんのかわからない感じだったのに」
「……そうかな?」
言われてみれば、そんな気もする。
僕が死ぬための計画、理想の死に方を探すようになってからは、世界の色はがらりと変わった。
それまでは、退屈な毎日だったのだと思う。
それこそ、ネクタイに首を締め続けられるような、窮屈な未来を容易に想像できてしまうほどに。
死ぬために行動をしている今でこそ、生きている実感を得るなんて――
もしかしたら僕は、こうして死ぬ時のために生まれたのかもしれないな。
家族が聞いたら、怒るだろうけど。