僕の死に方
計画実行の時
 誰かを殺そうとする人間には、態度や言動に、必ず何らかの変化が見られるはずだ。
 僕は決して、その変化を見逃さない。
 藤見正信は相変わらず、僕の目の届かないところで苛めを受けているらしい。
 だけど、彼はおそらく、まだポケットにナイフを忍ばせてさえいない。

 他人を殺すということに躊躇なく踏み出せるような人間なんて、それこそ常軌を逸した狂人だ。
 人のことを言えた柄じゃないけれど、そんな人間は、僕とは違ったところで狂っている。
 藤見正信は、そんな人間じゃない。

 だけど、彼は必ず行動を起こす。
 そうなるように、細心の注意を払って行動してきたのだから。

 彼の変化を見逃してしまったら、全てが水の泡となる。
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