僕の死に方
 昼休みの時間は、誰も寄り付かない体育館の裏。
 藤見正信が、ここで苛めを受けていることも、事前に下調べがついていた。
「うっ……! えっ、げほっ」
 苦しそうな、藤見正信の呻き声。
 苛めている人間は、決して顔は殴らない。
 苛めが露見するのを恐れているからだろう。
 その分、顔以外の部分に痛みは集中する。
 見るに堪えない、陰惨な光景だ。

「お前みたいなのがさぁ」
 リーダー格が、藤見正信の胸倉を掴みながら言う。
「同じ空気吸ってるってだけで、胸糞悪いんだよ。目障りだしよ」
 本当にいわれの無い、合理性に欠ける言葉だ。
「お前みたいなのが、さっさと死んでくれりゃいいのによ」
 その言葉が聞こえた瞬間だった。
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