楓クンのHappy*Xmas☆*:・゚
キミに愛を込めて




「……いきなり、どうしたの?」


ハンバーグを食べていた穂香の手が止まった。


目を見開いて、えらく驚いている様子だ。


――『お前の好きなものってなんだ?』


俺がこんなこと聞くなんて、珍しいとでも思ったんだろう。



「別に。つか、なんかねぇの? お前の好きなもの」


俺は軽く誤魔化して、水の入ったコップに口をつけた。


「んー……好きなものかぁ……」


ゴクゴクと水を飲みながら、フォークを持ったまま考え込む穂香を見つめる。


「……あっ! あった!」


水を飲み干したと同時に穂香はでっけぇ声を上げた。


「……なんだよ?」


「チョコレートでしょ。あとはチョコパフェと、チョコクレープと、あと………」


“チョコレート”のつく食い物を指折り数えて次々と言っていく。


ったく、お前はどんだけチョコレートが好きなんだよ。


……まあ、そんなとこが可愛いんだけど。



「あぁー! 分かった、分かった! 食い物以外でなにが好き?」


呆れた俺は穂香の言葉を遮って質問枠を縮めた。






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