楓クンのHappy*Xmas☆*:・゚
――バタンッ
グラスを並べていると、玄関から音がした。
「ただいまぁ!」
穂香が帰ってきたみたいだ。
上機嫌に鼻歌なんてハミングしながら、勢いよくリビングのドアを開ける。
「ねぇ、楓! 遊園地 すごく楽しかった!」
頬を赤く染めて、興奮気味に口を開く。
「よかったな」
「……あれ? なに、これ……」
穂香は不思議そうな顔でテーブルの料理を見つめる。
「なにって、今日はクリスマスだろ?」
俺が笑顔でそう言うと、さっき以上に穂香の顔が明るくなり、キラキラと目を輝かせる。
「すごぉい! これ、楓が全部作ったの!?」
「あぁ。お前言ったろ? 食べきれないくらいの美味しいごちそうが食べたいって」
「うわぁ! 夢が叶うなんて嬉しいなぁ」
ニコニコ笑みを浮かべながら、コートをハンガーに掛ける穂香を見つめて
夢だったのか……、と心の中で苦笑した。