楓クンのHappy*Xmas☆*:・゚
洗い物を終えて、エプロンで手についた水を拭きとりながら、リビングに戻ってきた。
だけど穂香の笑い声が聞こえなくて、不思議に思った俺はソファを覗き込んだ。
「………Zzz」
どうやら穂香はソファの上に大の字で爆睡しているらしい。
相変わらずテレビは、関西弁と笑い声で騒々しい。
「……ったく」
俺は呆れて笑いながらも近くにあった毛布を穂香にかけた。
「こんなとこで寝てたら風邪引くだろ。バカ」
そんなことを言ってみても、夢の中にいる穂香には届くはずもない。
スヤスヤと寝息をたてて寝ている穂香をじっと見つめる。
幸せそうな寝顔が俺を笑顔にしてくれた。
……そうだ。
お前はずっとそうやって笑っていればいい。
俺がずっと側にいるから。
……俺が幸せにしてやるから。
柔らかそうな茶色の髪を優しく撫でる。
俺はテレビを消そうと、不意にテーブルに視線を向けた。