モモとおじいさん


モモがおじいさんの家に来てから、おじいさんは少しずつ元気を取り戻していきました。

モモはいつでもおじいさんの側にいて、離れようとはしませんでした。

そんなモモをおじいさんもたいそう可愛いがりました。

おばあさんが亡くなってから家に閉じこもりがちだったおじいさんは、毎日のようにお散歩に出掛けました。

足腰がすっかり弱っていたおじいさんは、モモと散歩することで体まで元気になっていきました。

心も体もすっかり元気になったおじいさんは、モモと一緒に旅に出ることにしました。

それはおじいさんとおばあさんの想い出がいっぱいある懐かしい場所でした。



季節は初秋を向かえていました。

街の木々はうっすらと紅葉をし始め、金木犀の甘い香りが漂っていました。

おじいさんがモモを愛車に乗せて最初に向かったのは、おじいさんとおばあさんが生まれ育った故郷京都でした。

嵐山・嵯峨野・大原の里・南禅寺・哲学の道・等、何処もかしこもおじいさんには懐かしい場所でした。

モモも初めての旅にはしゃいでいました。


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