X'mas短編『プレゼント』
「どれ……おお、お前さん可愛い顔をしておるの」
ふわっ、とぼくは抱きかかえられ久しぶりにあかるい場所にでられた
「なあに、お前さんほど可愛いけりゃ大丈夫じゃて」
ぼくは目の前のまっしろなおひげのおじいさんを、じっとみる
「おお、よしよし。辛かったの」
………………
ぽろぽろぽろ
「泣かんでええ泣かんでええ。もう寂しくないからの」
ちがうよ
おじいさん
ぼくが泣いてるのはね……
うれしいからだよ
やっと
やっとやっと
きづいてもらえた
ぼくが“ここ”に
ずっといたのはきっと……
おじいさんにみつけてもらうためだったんだね……