X'mas短編『プレゼント』
「さて、では行こうかの」
シャンシャンシャン
おじいさんは赤と白の服をきて、トナカイの引くソリに乗りこむ
「ほっほ……怖がらんでええ。お前さんを大事に幸せにしてくれるお嬢ちゃんが、お前さんをちゃあんと待っとるんじゃからの」
ソリは赤い屋根のおうちの上でとまった
「ほうら、お前さんとはここでお別れじゃ」
……いやだ
おじいさんのそばにいる
ぼくをみつけてくれた
おじいさんのそばにいる
「わしから離れたくないか? じゃが、お前さんには大事な仕事が待っとるんじゃよ?」
……しごと?
「誰もが幸せになる権利があるんじゃよ。今度はお前さんが、誰かを幸せにする番じゃよ」