約束の日
「…」

編集長と呼ばれた女は、紙から目を上げると、男を見て、こう言った。


「…ダメね。」

「そんな…」

「あんた、これものすごく急いで書いたでしょ?特に後半。」

「だって…締め切りは今日の9時だし…時間なかったんだよ。」

男はがっくりと肩を落とした。

「妙なこだわりなんか持つからよ。」

呆れたように言う女。




そう、二人の関係は


出版社の編集長と素人作家であり


学生時代の同級生。
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