約束の日
大手出版社の編集長である女は、学生時代よく勉強を教えてくれたり、持ち物を共有した男と親しくしていた。

元来文章を書くのが好きで、希望通りの出版社に就職し、異例のスピードで編集長にまで上りつめた女は

1年前、自社のホームページ上の一般公募作品窓口に投稿された男の作品に目をつけた。

「この人の作品には何か輝くものがある。…本気で取り組めば…あるいは…」

そして、その投稿者が昔親しくしていた男だと分かると、

すぐさま男に連絡を取り、これ以上ない好条件で自分の住むマンションの一室を提供した。
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