約束の日
「次のターゲットは誰にするかな…」

男は携帯電話をいじりながら、

新たなターゲットの物色を始めた。

「今度はさ、金持ちじゃなくて普通のサラリーマンとかいいんじゃない?」

「なんで?」

「美味しいものは、希少だからこそ価値があるんじゃない。」

「それもそうだな…」



マンションの一室で、

男と女は声を上げて笑った。


だから、


マンションの外にパトカーを停め、

二人のいる部屋に近づいてくる警察官の気配には、

まったく気が付かなかった。
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