約束の日

女は不安を抱えていた。

遅い。いくらなんでも遅すぎる。

テーブルに置かれた携帯電話。

それが着信を知らせるのを

女はひたすら待ち続けた。

「何で来ないのよ…」

不安を紛らわせるために

タバコをくわえ、火を点ける。

細く長い、メンソールのタバコ。

口いっぱいに煙を溜め込んでは一気に吐き出す。

もう、何本吸ったのだろうか。携帯電話の横の灰皿には

細い吸い殻が山を成している。

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