クリスティアナ
俺は夜、宿屋から近い酒場へやって来た。


爺さんが好きだったフィルト酒。


俺は飲んだ事がなかったから一度飲んでみたかったんだ。


それには酒場に行くしかなかった。


初めて酒場の扉を開けると酒と香水が混じった匂いに顔をしかめた。


女たちの近くは良いのだ。


男が3人いるテーブルは体臭が強くここから出たくなった。



爺さんの好きだったフィルト酒を頼むと、きれいな女がテーブルに近づいてきた。



俺はそれに気がつかず、目の前に立たれた時、思わず顔を上げてみたんだ。



「あら……」


目と目が合った女が驚いた。


俺は何も言って欲しくなくて急いで首を横に振った。


「ふふ、可愛いぼうやね まっ!いいわ」


テーブルの上にフィルト酒の入ったグラスと水を置いた。


そのままいなくなるかと思ったがきれいな女は俺の隣に座った。


隣に座られ身体が近づき触れそうになった。


俺は黙ってイスをずらし女から少し離れた。


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