クリスティアナ
「何をのんきなことを言ってるの?クリスさんがいなくなっちゃったんだよ?僕言ったよね?何かに巻き込まれそうで嫌な予感がするって」



あぁ……その事か……。



「あいつは強いから大丈夫ですよ」



湖を見ながらキースが出した結論は、しばらく放っておく、だった。



「それでも大人数に襲われたら?1対1なら勝てるかもしれないけれど、大人数だったら無理だよね?」



動じないキースに、ロイは地団駄を踏む。



「ロイ、落ち着いて」



沙羅がロイの肩に手を置くとキースに向き直る。



「先日の山賊の討伐はワルテ山だったよね?」



「ええ そうですが !!!」



キースの顔色が変わった。



「そうなの、クリスちゃんの家はワルテ山なの 逃げた山賊に会ってしまうかもしれないの」



「姫さん、陛下に伝えてください 先にワルテ山に向かいます 騎士団を送って下さいと」



ロイはキースが行くと聞いて笑顔になった。



「ええ、気を付けてね」



沙羅もにっこり笑顔を向けた。


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