クリスティアナ
「くそっ!」



自分だけの場所が荒らされ、憤りのない気持ちが込み上げてクリスは叫びだしたくなった。



クリスは剣を鞘に戻すと、片付け始めた。



片付けない事には落ち着けないし、自分一人しかいない。



やるしかないのだと自分に言い聞かせたクリスだった。



外套を脱ぎ、袖を捲りあげると寝室から片付け始め、数刻してやっと今夜眠れる寝床が出来た。



それから隣の部屋を片付け始めた。



台所の横に祖父の寝床がある。



中身が飛び出した引き出しを整理しようと一旦、引き出しを抜いた。



中身をきちんと整理して、引き出しをもとの位置に入れようとした時、奥の方に紙が挟まっていることに気づいた。



「?」



クリスはその紙を引き出すと、奥の板が動いた。



「なんなんだ……?」



手を入れて押してみると板は手前に倒れた。



「うわっと!」



手の上に板が倒れてきて思わず手を引っ込める。



中を覗くと、引き出しより少し小さめの箱が見えた。



手を入れてその箱を引き出してみると、クリスの動きが止まった。



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