クリスティアナ
10分ほど歩くと、入り口が縦に細い洞窟が見えてきた。



見えてくると、キースはしゃがみ辺りを伺う。



「ここがそうなのか?」



後ろにいる俺に聞く。



「ああ、入り口は狭いが中はかなり広い だけど すぐに切り立った崖になる」



「それって洞窟って言うのか?」



キースは笑いながら俺に言うと、頬を軽くつねられた。



「ここにいろよ」



俺が緊張していることが分かったようだ。



「い、いや 俺も行く」



剣の柄をギュッと握る。



「……わかった とにかく見ているだけにしろ 俺はお前を守る」



「お、お前に守られなくても平気さ」



俺は強がっていた。



あのキス以来、素直になれない俺がいた。



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