クリスティアナ
腕の中のクリスはしばらく震えていた。



どのくらい肌を密着させ抱きしめていたのだろうか、気が付くとクリスの震えは止み、呼吸も普通に戻っていた。



額に手を置いてみると熱は先ほどよりは下がっていた。



薬草が利いたんだな……。



深刻な状態にならずに済みそうでキースは安堵した。



洞窟から急いでここに来たとしても3時間はかかるだろう。



それから山を下りて城へ着くころには真夜中になる。



言う事を聞いて城へ戻るだろうか……?


このじゃじゃ馬姫は……。



布が巻かれた腕を見て小さくため息を吐く。



また痛い思いをさせてしまったな……。



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