クリスティアナ
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カイナンら騎士たちはキースの言った通り、小屋へやってきた。



あの高い所から落ちても生きていることを疑わなかったようだ。



「一休みしたら出発するぞ」



カイナンに報告を受けたキースは彼らをねぎらうと、馬の方へ歩いていく。



クリスは外に置かれた丸太の上に膝を抱えて、カイナンの報告に耳を傾けていた。



あいつ等は全員殺されたらしい。


くそっ、がけから落ちなければ俺が……。


瞳はずっと一人を追っていた。


どうしてもキースに視線が行ってしまうのを抑えられない。


男と女にあんな世界があるなんて思わなかった……。



思い出すと、恥ずかしくなり膝がしらに額をつける。



さっきから身体がふわふわしている感覚で、クリスは目を閉じる。




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