クリスティアナ

帰城

§　§　§　§　§　§



「キース！」



馬の背から降り、クリスの身体を抱きとめた所へ沙羅が階段を駆け下りてやってきた。



「姫さん、ただ今戻りました」



「クリスも連れて来てくれたのね」



キースの腕の中で目を閉じているクリスを心配そうに見ていると、沙羅の後ろにルーファスが立った。



「ご苦労だったな」



ルーファスは長旅をねぎらう。



「陛下、ガラム様をお願いしてもよいでしょうか？」



「ガラム様って、誰かケガをしたの？」



ルーファスに言ったのだが、沙羅が先に口を開いた。



「クリスが腕を獣に噛まれたんですよ」



「まあ！獣にっ！？すぐにガラム様にお願いしなければ」



沙羅は後ろを振り返り、控えていたリリアに頷く。



リリアはその場を離れた。



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