クリスティアナ
起き上がったクリスの頭はまだくらくらしていた。



熱のせいなのだろう。



額に手を置くと、リリアの手がクリスの身体を横にさせた。



「もう少しお休みください 栄養のあるものをお持ちいたしますから」



俺は言われるままに目を閉じた。



まだ体調が良くないのはよく分かった。



少ししてリリアが食事を持ってきた。



豪華な食事を見て、喉がなりそうだ。



城を出てどのくらい経っただろうか、そんなに経っていないのに自分はとても飢えている気がした。



「たくさんお食べ下さいね もう少し肉付きが良い方が殿方には喜ばれますわ」



スープを飲もうと口に含んだところへそんな言葉を聞き吹き出しそうになった。



「リ、リリアっ!?なんてことを言うんだ!」



「これからクリスティアナ様は良いご結婚相手に会わなければなりませんわ それにはもう少しお太りになった方が」



結婚相手……。



そうだ、ここへ戻ったら俺は知らない奴と結婚しなくてはいけない……。



心がちくりと痛んだ。



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