クリスティアナ
鏡から視線を反らす。


くそっ!



着ているドレスを破りたい心境だ。



こんな気持ちで1週間後の婚礼の儀を無事に済ませられるのか……。



「クリスティアナ様?」



顔を歪めたクリスにリリアが気にする。



「脱がしてくれないか、別に直すところはなさそうだ」



「ええ、そうでございますね ぴったりでお美しいですわ 花婿様はお喜びになられるでしょう」



喜ばれてもちっとも嬉しくない。



「早く!早く脱がしてくれ!」



イライラが募り、声を荒げてしまう。



「クリスティアナ様……」



リリアは控えていた侍女に頷くと、クリスの背に回りくるみボタンを丁寧に外していった。



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