クリスティアナ
俺は睨むと元来た道を帰ろうと足を向けた。
「ちょっと待った!どこに住んでいるんだ?」
「言う必要はないだろ?」
「名前は?」
「関係ないだろ?」
「俺はキース」
街ではエドワルドで通っているのに本名を言っていた。
「キース?俺はエドワルドって聞いたぞ?嘘吐く奴は信用できない」
言い捨てると赤毛の男から立ち去った。
§ § § § § §
宿屋に戻った俺は外套を脱ぎ捨てズキズキ痛む腕の布を外した。
あの男の……。
自分の袖を引き裂いた時は驚いた。
布は柔らかく清潔だった。
血が付いてしまったがきれいな緑色。
「こんな上等な布を触ったのは初めてだな……」
腕の傷はまだ塞がっていなかった。
少し腫れていて熱をもっているのが分かる。
「っ……」
消毒液はない。
再びその布をぐるぐると巻きつけ、外れないように端を中へグイッと入れた。
「ちょっと待った!どこに住んでいるんだ?」
「言う必要はないだろ?」
「名前は?」
「関係ないだろ?」
「俺はキース」
街ではエドワルドで通っているのに本名を言っていた。
「キース?俺はエドワルドって聞いたぞ?嘘吐く奴は信用できない」
言い捨てると赤毛の男から立ち去った。
§ § § § § §
宿屋に戻った俺は外套を脱ぎ捨てズキズキ痛む腕の布を外した。
あの男の……。
自分の袖を引き裂いた時は驚いた。
布は柔らかく清潔だった。
血が付いてしまったがきれいな緑色。
「こんな上等な布を触ったのは初めてだな……」
腕の傷はまだ塞がっていなかった。
少し腫れていて熱をもっているのが分かる。
「っ……」
消毒液はない。
再びその布をぐるぐると巻きつけ、外れないように端を中へグイッと入れた。